学生・研修医の方へ

HOME  >  留学報告  >  イタリア留学記

学報告

イタリア留学記

平成18年卒業 高田 生織

2011年7月5日からイタリア・ピアチェンツァに来ています。入局4年目で何事もまだまだの私ですが、先だって夫がMario Sanna先生の下に再度留学したため、大変恐縮ではありますが私も同行する許可を頂きました。


Dr. Sunose・Dr. Falcioniと一緒に、
Dissection roomで。
さて、こちらに来てからは出来るだけその土地の言葉を覚えよう、と実地訓練をしながらイタリア語を勉強しています。生活する上で必須と思われるフレーズ、単語、動詞の変化をぶつぶつと暗記し、手術室のナース、八百屋の売り子さん、時に勇気を出して優しそうな一般人(例えばスーパーで、商品の記載内容がどうしても理解出来ず、ふと横にいた主婦らしき中年の女性など)に話しかけていたりしています。


右:ナポリ出身Dr. ジュリオ、
左;シチリア出身Dr.カルーゾ。
日本人ドクター帰国前の食事会にて。
肝心の勉強ですが、Sanna先生のご高配にて手術を見学させてもらっています。これまでは耳の手術に携わる機会が少なく、じっくりと手術を見学することは数えるほどでした。こちらに来てから改めて教科書を開きながらLive surgery を見るという貴重な時間を過ごしています。またGruppoの過去16年間の先天性真珠腫症例のデータを集積し、論文にするという課題にも取り組んでいます。入院カルテを引っ張り出し、聴力、手術記録などを始めとするほぼ全ての手書きの内容から、何とか解読できる単語を拾い、辞書を引き引きイタリア人ドクターの助けを得ながらデータをまとめました。力を貸してくれたドクターはナポリ出身の陽気な性格で、テンポ良く進むこともあれば、気まぐれにしばらく顔を出さず遅々として進まない時期もありました。

先日秋の中耳コースが開催され、須納瀬先生がスタッフとしていらっしゃいました。初日に講義をして下さり大変勉強になりました。この時はすでに参加者が定員に達していたため講義を聞くにとどまりましたが、三月中旬のイタリア人向けのコースには何とか参加させてもらう事が出来ることになり、Dissectionの機会を心待ちにしている所です。

瞬く間に月日が流れ、帰国の日が目の前となりました。今自分に出来る最大限の努力をし、帰国の途に就きたいと思っています。