耳管開放症外来
耳管開放症の診断と治療を行います。
1.耳管外来について
1)耳管とは
診察風景耳管とは中耳と咽頭をつなぐ管のことです。 中耳の圧力を調節する働きがあります。正常な状態では、あくびをしたり唾を飲み込んだりした時だけ耳管が開放します。耳管の開放の度合いは人によってまちまちです。 例えば、アデノイドが大きな小児では、咽頭側の耳管口がアデノイドで塞がれて耳管が開きにくくなり、中耳の圧力の調節ができなくなるため高率に滲出性中耳炎になります。逆に、耳管が必要以上に開いている(耳管開放症)場合には、自分の声が耳に響いてうるさい(自声強聴)、耳が塞がった感じがする(耳閉感)、自分の呼吸音が響いて聞こえる等の症状に悩まされます。 このような耳管が開きすぎるために起きる疾患(耳管開放症)の治療を耳管外来で行っております。
2)当外来で診療する疾患
耳管開放症
2.診断治療について
1)診断について
耳管外来では、先ず患者様の詳細な問診、鼓膜や咽頭所見の観察、体位による症状の変化の有無、各種耳管機能検査の結果を踏まえて総合的に耳管開放症の重症度を判定いたします。
2)治療方針
次に重症度に応じて、生活指導、保存的治療(点鼻薬や漢方療法等)、手術療法を選択します。寝ているとき以外は耳管の開放症状が常にあるような重症の方は、当科で開発した耳管ピンの挿入術の適応があるか診断した上で、小林俊光前教授が勤務する仙塩利府病院へ紹介しております。
当科において、耳管ピンの挿入術は現在行っておりません。
3.担当医よりメッセージ
1)耳管開放症について
耳管開放症の診断はむずかしい場合もあり、複数の耳鼻科を巡り歩いてやっと診断が確定したという方もおられます。 そのような方々は長期間にわたり煩わしい症状に悩まされおり、一日でも早く症状から解放されたいと望まれています。 我々も患者様の希望を叶えられるように努力いたしております。 耳管開放症でお悩みの方はご相談下さい。