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蓋裂・滲出性中耳炎外来

1.口蓋裂・滲出性中耳炎外来について

口蓋裂・滲出性中耳炎外来では、唇顎口蓋裂センターと連携し、口蓋裂に合併しやすい疾患である滲出性中耳炎の診断と治療を行っています。また、口蓋裂以外の生まれつきの顔の病気(先天性頭蓋顎顔面疾患)のお子さんの耳鼻科疾患にも対応しています。

唇顎口蓋裂センターは、形成外科、耳鼻科、小児科といった医科と、顎の成長にともなった歯の管理と矯正治療を担当する歯科、及び言語聴覚士、心理士、医療福祉ソーシャルワーカーといった幅広い医療関係者の協力のもと、唇顎口蓋裂をはじめとする生まれつきの顔の病気(先天性頭蓋顎顔面疾患)の患者様さんやご家族の心に寄り添い、心の負担を少しでも和らげることを目標にチームで診療を行っています。詳しくは、唇顎口蓋裂センターのホームページをご覧ください。

2.診断治療について

口蓋裂のお子さんは、幼児期に耳管(耳と鼻をつなぐ管)が上手く働かないことが多く、鼓膜の奥(中耳)に水の貯まるタイプの中耳炎(滲出性中耳炎)(しんしゅつせいちゅうじえん)になりやすいことが知られています。滲出性中耳炎が長期にわたり続く場合、鼓膜が中耳方向に引き込まれ鼓膜が動きにくくなる癒着性中耳炎や、中耳の成長が妨げられることによって成人後も中耳炎になりやすい状態を引き起こす可能性があります。また、聞こえが悪い状態が続くと言葉の発達にも影響する場合があります。このため、長期にわたる丁寧な観察が必要です。

1)診察および検査

鼓膜の観察やティンパノメトリー(鼓膜の動きやすさを測定する検査)を行います。また、年齢に応じた聴力検査やことばの発達検査なども適宜行います。中耳と耳管の成長を確認するために、レントゲンや耳管機能検査も組み合わせて行います。

2)治療方針

口蓋裂のあるお子さんは、0歳代に滲出性中耳炎にかかると治りにくいことが知られています。1歳以上でも中耳炎が持続する場合、全身麻酔をかける口蓋裂閉鎖手術と同時に鼓膜換気チューブ留置術を計画することが多いです。鼓膜換気チューブ留置術は、鼓膜切開をして小さなチューブを留置する数十分ほどで終わる小手術です。換気チューブは耳管の働きが良くなるまでの間、中耳にたまった液体を外に出し、耳管に替わって中耳の圧調整をします。チューブは数年の留置が必要なため、唇顎口蓋裂センター受診時に継続的に確認をしていきます。中耳と耳管の成長が確認できたころ、多くは6歳ころに外来で抜くことが多いです。滲出性中耳炎が合併しなかったお子さんも、中耳と耳管の働きが十分に成長するまで丁寧に観察する必要があります。

3.担当医よりメッセージ

当外来では、多くの診療科やスタッフと連携しながら、口蓋裂をはじめとする先天性頭蓋顎顔面疾患のお子さんの耳鼻科合併症に対応させていただきます。お子さんの成長の一助となれば幸いでございます。診察でご不明な点やご質問がございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。