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輩からのメッセージ

平野 愛 (H22入局)

 皆さんはこれからの医師としての歩みについてどのようなVisionをお持ちでしょうか。出産、育児と仕事を両立したいとお考えでしょうか。それとも、バリバリ働くキャリアウーマンでありたいですか。または、その他の職種と両立したい、なんて人もいるかもしれません。当科にはそんな多様な働き方を可能にする懐の深さがあると思います。

 耳鼻科医の仕事内容は外来診療、病棟管理、手術治療、薬物治療、研究など多彩です。手術治療に関しては他の外科系診療科に比べると比較的短時間で行え、顕微鏡や内視鏡などの器具を用いるものが多いのが特徴であると思います。私は耳鼻科医の仕事内容に関して、女性であることを理由に不利な点を感じたことはありません。むしろ、耳や喉の微細な手術に関しては、手の小さい女性の方が得意な部分もあるかもしれません。当医局にはほぼ毎年女性医師が入局していますが、ライフスタイルの変化に合わせて、外来診療だけ行う、時短勤務を利用するなど各々働き方を選びながら仕事を続けています。医局内に女性がいることが当たり前の状況になっていますので、女性であることによる居づらさの様なものは感じません。

 私自身は現在2歳と4歳の息子の子育てをしながら仕事をしています。基本的には夕方16時頃までの時短勤務ですが、夕方からのカンファレンスに参加したい時や休日に仕事をしたい時などは夫に協力してもらっています。朝のカンファレンスにはオンラインで参加しています。子供が急に体調を崩してしまうような時には上司に正直に相談し、お休みをいただいています。育児と仕事を両立するというのはやはり大変です。正直なところ、可愛い子供と日中離れなくてはいけない寂しさや後ろめたさ、出産前のように研究などの仕事を十分にすることができないもどかしさや上司に申し訳ないという気持ちは感じます。しかし最近では長男が「お母さんは大学病院の耳の先生なんだよね。お仕事行って良いよ!」「格好いい!」などと言ってくれるようになり、働く母の姿を見せることは息子にとって良い影響もあるのではないかと感じています。今は自分の納得できるところまで臨床や研究に打ち込むことはできない部分もありますが、子育てが一段落すればきっとまた出来るようになると思いつつ、仕事を続けています。

 一時期思うように仕事に取り組めない時期があったとしても、仕事を辞める必要はありません。当医局には他にも生き生きと仕事を続けている育児中の女性医師がおります。皆さんと是非一緒に仕事をして切磋琢磨し合い、楽しくおしゃべりできるような時が来るのを心待ちにしています。さらに詳しく話を聞きたい方は、どうぞお気軽にお声がけください。