学生・研修医の方へ

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輩からのメッセージ

太田 淳

1、高次修練に参加した時期

2007年6月

2、主な高次修練コース

東北大学研修コース

3、高次修練の思い出など自由にお書き下さい

私は2007年6月に高次修練にて耳鼻科を選択しました。

5年時の3次修練のころから耳鼻科に対して興味を抱き、初期研修での選択ということも含めて参考にするために、1ヶ月間、大学病院内で耳鼻グループ・癌グループをそれぞれ2週間ずつまわりました。

それぞれのグループに学生が1~2名ずつ配属されました。朝8:15頃から医局ミーティングがあり、手術日には終日手術を見学します。耳鼻科といっても耳・鼻・喉・癌と多岐にわたります。

耳に関しては真珠腫性中耳炎や中耳奇形を伴う伝音難聴や聴神経腫瘍に対する手術がありました。恥ずかしながら解剖実習では短時間でスルーしてしまった部位の解剖を、顕微鏡下で詳しく見ることができ、印象に残りました。

鼻に関しては慢性副鼻腔炎や眼窩吹き抜け骨折や鼻性視神経症に対して手術があり、緊急性が高い鼻の疾患があり、膿汁が貯留した副鼻腔が開放され多量に膿汁が流出するのが印象に残りました。

喉に関しては声帯腫瘍や反回神経麻痺に対する手術を見学し、特に喉頭形成術(反回神経麻痺による声門閉鎖不全を是正し、声を改善する手術)が患者さんに発声していただきながら手術を行なっているのが印象的でした。

癌に関しては頸部癌の部位により、手術も非常に多様になり、時に10時間以上要する再建手術(摘出により欠損した咽頭を、遊離空腸を用いてつなぐ)があり、印象的でした。

手術日以外は各種の特殊外来を見学します。中耳・難聴・耳管・鼻・神経耳科・腫瘍・喉頭など様々な専門外来があります。耳鏡や鼻鏡などの耳鼻科独特の診察器具の使い方を学び患者さんの所見を取らせていただいたり、各種検査や画像診断の説明を受けたりし、疾患の多様さを改めて実感しました。

私の場合は本修練を通して、耳鼻科への志望が固まり大学病院での初期研修にて耳鼻科をホスト科として選択しました。耳鼻科の特徴は、疾患が良性悪性だけでなく部位も様々で、外科系ではありますが時に内科的でもありうる点だと思います。それが一番の魅力だと思います。